【動画ニュース】米国が中国人ハッカー2人を起訴 同盟国が非難声明

アメリカ司法省が先日、中国当局と繋がりのある中国人ハッカー2人を起訴しました。このことを受け、アメリカの複数の同盟国も、中国のハッカー行為を非難しました。

ニューヨーク南地区・連邦検察局 ジェフリー・バーマン検事

「中国人ハッカー2人、朱華と張士龍を起訴したことを発表する」

起訴されたのは中国人の朱華(しゅ・か)と張士龍(ちょう・しりゅう)で、コンピュータ侵入の共謀罪、通信詐欺罪、加重ID窃盗罪の三つの容疑で起訴されました。容疑が固まれば、最長27年の禁固刑を言い渡されるとのことです。アメリカ司法省は、2人は「APT10」というハッカー組織のメンバーで、この「APT10」は天津市国家安全庁の管理下にあると指摘しています。

ジェフリー・バーマン検事

彼らは45を超える米国企業やディフェンステクノロジー企業を攻撃した。彼らは米国政府機関にも侵入し、10万人以上の米海軍兵士の社会保障番号や生年月日を盗んだ」

米司法省 ロッド・ローゼンスタイン副長官

「中国は2015年にハッキングによる機密窃盗をやめると約束した。しかし、証拠が示すように、中国はこの約束を守る意図はないようだ」

アメリカ司法省によると、2006年から2018年の間、「APT10」のメンバーはアメリカ、カナダ、イギリス、日本など、少なくとも12カ国のコンピューターネットワークに侵入し、金融、電信、航空領域の機密情報を盗んでいます。

ジェフリー・バーマン検事

「衝撃的なのは、米国の会社と政府機関が長年かけて行ってきた研究や、巨額をかけて開発した知的財産権を、被告らは簡単に盗みタダで手に入れた」

FBI クリストファー・アッシャー・レイ局長

「簡単に言うと、中国の目的は米国にかわって、世界をリードする超大国になることだ。目標達成のために、違法手段を使っている」

12月20日、アメリカの同盟国である、カナダやイギリス、オーストラリア、日本なども、同時に声明を発表し、中国当局のハッカー行為を非難しました。一方、中国外務省は「事実を捏造した」とアメリカ政府を非難しました。

ロッド・ローゼンスタイン副長官

「連合声明は米国だけでなく、他の被害国からも出されている。これらの行為に責任がないと装うことは難しいと中国は気づくだろう」

FBIも、中国当局はハッカーを雇うだけでなく、一般の企業や個人を利用して、当局のために情報収集をしていると指摘しました。

ニューヨーク大学訪問学者(一時在籍の研究者) 滕彪氏 

「中国共産党は各方面から世界に浸透している。ソフトパワーでは孔子学院からネットワークの侵入、メディアの買収、スパイ行為など。10年、20年の積み重ねでここまで発展している。米国の両党や他の国も中国共産党の拡張に警戒し始めているが、これは必然的なことだ。中国共産党の世界拡張を制止するのに効果的な変化である。行動が少し遅れているが、以前の宥和政策よりはずっと良い」

今年7月、アメリカの国家カウンター・インテリジェンス・アンド・セキュリティセンターは発表した報告書の中で、中国、ロシア、イランを最も深刻な脅威であると位置付けました。

ジェフリー・バーマン連邦検事

「APT10の他のメンバーおよび彼らの国家安全部の仲間を、米国政府は法を厳しく執行し、必ず特定し正義の下で裁く」

 
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