ウーバー、福島など東北でも配車サービス展開へ 訪日客誘致で支援

[東京 19日 ロイター] – 米ライドシェア(相乗り)大手のウーバー・テクノロジーズ[UBER.UL]が日本市場攻略に向け、布石を着々と打っている。同社は19日、名古屋、大阪に続き、福島、宮城、青森の東北3県でもアプリによるタクシー配車サービスを2019年から始めると発表した。東日本大震災後の復興、訪日客の誘致を支援する。既存のタクシー会社と連携してウーバーへの抵抗感を和らげ、イメージ向上と事業拡大を狙う。

ライドシェアは米国などの海外では普及しているが、日本では個人が自家用車を活用して有料で送迎する「白タク」行為とされ、法律で規制されている。タクシー業界からも猛反発を受けたため、ウーバーは昨年後半以降、タクシーと協調路線をとるアプリを使ったタクシー配車サービスに方針を転換。今年7月から兵庫県淡路島で実証実験を行っているほか、9月には名古屋で本格的にサービスを開始。来年は大阪でも始めることを公表済みだ。

東北では来年1月から順次開始する予定。宮城県仙台市の仙台中央タクシー、福島県郡山市の西条(にしじょう)タクシー、青森県青森市の成長(なりちょう)タクシーの3社と協業し、配車サービスを展開する。

18年には訪日外国人観光客が初めて3000万人を突破したが、東北地方ではこのうち1%程度にすぎない。11年に発生した東日本大震災と福島第一原子力発電所事故によるイメージもまだ残り、訪日客の足を遠ざけているとみられる。

また、国土交通省によると、17年に訪日外国人が国内で利用した交通機関は、鉄道が約5割、バスが約36%なのに対し、タクシー・ハイヤーは1.9%にとどまる。東北地方のタクシー3社は海外で主流のウーバーアプリの導入で訪日客のタクシー利用を促したい考えだ。

西条タクシーの西條勝昭社長は「まだまだ業界のウーバーに対するアレルギーは強い」としつつ、「ウーバーとの提携は東北勢が脆弱なインバウンドの大きな武器になり、新たな需要喚起につながるとともに、地元に外国人観光客が増えることによる経済効果に寄与できる」と述べた。

郡山市の品川萬里(まさと)市長は、ウーバーのサービス開始は「未知との遭遇」と指摘。何をやるにも最初から課題が100%解消されて始まることはないとし、「乗客、運転手、一般市民、地元の経済や交通事情にとって良い成果をもたらし、ベネフィット(利益)を市民に理解してもらえるよう、一歩一歩進めていただきたい」と語った。

(白木真紀)