【動画ニュース】FBIがダミーの頭部を作成 アルカトラズ島脱獄囚の遺留品

観光名所として知られるサンフランシスコの国立公園、アルカトラズ島は、かつては重い罪を犯した犯罪者を収容する連邦刑務所でした。1962年に起きた脱獄事件は、未解決の事件として、今も謎に包まれています。11月15日、脱獄囚が作成したダミーの頭を米連邦調査局(FBI)が3Dプリンタで復元し、当時の様子を詳細に再現しました。

このダミーの頭はFBIが3Dレーザースキャナと3Dプリンタを使って復元したもので、56年前の脱獄囚が採った手口が再現されています。アルカトラズ島を訪れる観光客も、この歴史的な未解決事件の詳細をうかがい知ることができます。

FBIサンフランシスコ支局長  ジョン・ベネット特別捜査官

「これらの専門知識を使って、アルカトラズ島の精巧なダミー頭部を国立公園に提供することができ、光栄に思っている。我々はこれを地域社会に還元し、公園の歴史をとどめ置く。後世の人々もこの歴史を知ることができる」

かねてから脱獄を計画していたフランク・モリスとアングリン兄弟(ジョン・アングリンクラレンス・アングリン)は1962年6月11日、刑務所の通気口から脱獄すると、手製のゴム製いかだで島から脱出しました。看守の目を欺くため、彼らはトイレットペーパーや石鹸、頭髪などを使って本物そっくりの頭部のダミーを作成し、数カ月かけて外部に通じる抜け穴を掘ったことが、FBIの記録に残されています。アルカトラズ島では何度も脱獄事件が発生しましたが、これが脱獄に成功した唯一の事件です。

この3人の行方は今もつかめていません。遺留品であるダミーの頭部の損傷も激しくなり、この事件を後世に伝えるためFBIが複製品の制作を希望しました。

 

 
関連記事