【動画ニュース】欧州評議会議員会議の前議長「孔子学院は共産党政権の諜報機関」

中国は各国の大学と提携して「孔子学院」を設置し、中国語の学習の場を提供するとの名目で、十数年にわたり全世界に共産党文化を浸透させてきました。共産主義に詳しい専門家は1月、孔子学院は危険な諜報機関だが西側諸国はあまり警戒していないとし、無自覚でいるとその背後に潜む危険性を見失うことになると指摘しています。

欧州評議会議員会議の前議長 ヨラン・リンドブラッド氏

(孔子学院は)すべて諜報センターであり党の宣伝センターでもあり、それ以外にはない。主な目的は共産主義思想の植え付けと、全体主義政権のための情報取集だ。これは公に言わない2つの主な目的だ

ドキュメンタリー映画『偽りの儒教:孔子学院の実態』(仮邦題)が欧米やアジアで放送され、孔子学院がカナダに広められた手法が明らかにされました。リンドブラッド氏は、孔子学院は危険な諜報センターであり、学問の自由を侵害し、共産党思想を浸透させ、工業や軍事に関する諜報活動に従事するものだと指摘しています。いっぽう民主主義国家における交流は、自由な思考を促進するものです。

リンドブラッド氏

優れた民主主義国家にはこのような交流がある。例えば米国の方式は優れており、自由な思考を促すものだ。だが共産主義や他の全体主義政権では、「ソビエト人」や共産主義者を作ろうと意図している。党の言うことが正しいのかどうかを人々に考えさせないようにし、受け入れることしかできないようにする。そのためならいくらでも金をつぎ込む。西側の大学はおろかにも(中国の言うことを)すべて鵜呑みにしている

リンドブラッド氏は現在、全体主義や共産主義を研究する非政府組織(NGO)「欧州の記憶と良心のためのプラットフォーム(Platform of European Memory and Conscience)」の代表を務めています。リンドブラッド氏は、一部の西側の大学が孔子学院を受け入れた理由について、欧州やアジアで共産党が行った暴挙について多くの人がよく理解していなかったからだと説明します。

リンドブラッド氏

西欧や米国の学校は、全体主義政権の歴史をあまり教えていない

欧米諸国は孔子学院を警戒し始めたものの、リンドブラッド氏はまだ不十分だと感じています。人々が無自覚でいると孔子学院の背後にある真の危険性に気づくことができないからです。

リンドブラッド氏

欧州の左翼知識人はいまだにマルクスの共産主義思想は良いものだが、後から歩む道を誤っただけだと考えている。この考えは間違っていると私は確信している。マルクスは恐怖政治により独裁政権を維持する方法を書き残しているからだ。彼ら(中国共産党)はまさに今その手法を取っている

欧州議会は2009年、共産党政権の行ってきた暴政に対する非難決議を採択し、加盟国に対し過去の公文書を公開し、共産党政権の行ってきた犯罪行為を全面的に検討するよう求めています。

 
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