【健康】睡眠不足を心配するあまり睡眠不足にならない簡単な方法

継続的な睡眠不足がもたらす深刻な結果に関心が集まっています。特に学校が始まった今の時期の子どもたちは、睡眠の質と不足についての懸念がより一層高まっていると言えるでしょう。

現代を生きる私たちの睡眠に対する考えは、過去に常識と思われていたものと比べてどのように変化しているのでしょうか?不十分な睡眠による影響はどのようなものでしょうか?効率良く眠るためにはどうすべきなのでしょうか?特に不眠症の場合は?

人間にとって睡眠とは生理的なプロセスなので、人類全体にとっての眠る必要性についてはこれまでと比べて大きな変化があるとは思いません。しかしながら、私たちは個人の睡眠の量と質について、もっと注意を払うべきです。実はそれは、あなたが思うより簡単に実行できるのです。

始めに、睡眠とは何でしょう?

臨床医学的観点から説明すると、睡眠とは一時的な無反応状態であり、周囲から知覚的に離脱した状態と言えます。睡眠は体内時計からのシグナルと、覚醒時に蓄積された睡眠に対する欲求によって左右されます。そして、アデノシンのような脳内科学物質の蓄積と除去にも関連しています。

体内時計は一日の明暗の周期に生理現象を同期させます。十分な睡眠は体の修復に欠かせないものですから、健康のために睡眠時間を優先して確保することが近年になって重視されるようになりました。

過去100年の間、研究者は睡眠について多くのことを学んできました。

睡眠に関する歴史の中で、人工的で安価な灯りが発明され広く普及したことが睡眠に大きな変化をもたらしたのは疑う余地がありません。睡眠についての科学的な理解は進化し続けていますが、まだ不明な部分も残っています。

現代の人々は数十年前と比べて睡眠時間が短くなっているようです。最近のアメリカの成人を対象にした自己申告による統計によると、その殆どが充分な睡眠を取っていないことが明らかになりました。ところで私たちは、何時間眠る必要があるのでしょうか?

人間に必要な睡眠時間は一生の間に変化する

必要な睡眠時間は一生の間に変化し、最も睡眠時間が長いのは赤ちゃんです(FamVeld/Shutterstock)

私たちに必要な睡眠時間は一生の間に変化します。幼児は一日に11~14時間の睡眠を必要とするため、昼寝をする事で睡眠を補います。

テイーンエイジャーになると必要睡眠時間は減少し、ほぼ成人の平均に近づきます。成人が睡眠不足にならないためには、通常7~9時間の睡眠が必要です。65歳以上になると必要睡眠時間は7~8時間程度に減少します。

調査によると、成人の35~40%が平日に7~8時間以下しか眠っていないという結果が出ています。但し、客観的な計測ではなく自己申告によるデータなので、眠るまで又は途中で目が覚めて再び眠りに戻るまでの時間を長く感じ、最大1時間程度の誤差が発生している可能性があります。

睡眠不足が引き起こす問題

食べ過ぎてカロリーを余分に摂取したり逆に少なすぎたりすると、体に与える影響は目に見えて現れるものです。残念な事に、睡眠不足による身体的なダメージは計測する方法がありません。しかしながら、時間が足りなくて充分な睡眠が取れないのであれ、不眠症のような睡眠障害であれ、睡眠不足は私たちの体に大きな影響があるものと考えられています。

脳に良くない?

睡眠不足は眠気を催すだけでなく、脳にダメージを与え次のような症状を引き起こします。気分に影響し、うつ状態を悪化させる、痛みを悪化させる、物事を判断・計画・整理し実行する能力を低下させる、集中力・記憶力・行動力を低下させる、体重と身長に影響するホルモンのバランスを崩させる、免疫力を阻害し病気に罹りやすくなる、体に炎症前期症状を引き起こす。

睡眠不足で命を落とすこともあります。睡眠不足による交通死亡事故のリスクは飲酒運転に匹敵するものだからです。また、睡眠が5時間未満の人は心臓発作を起こす割合が2〜3倍になるという研究もあります。更に、慢性的な睡眠不足は健康を徐々に蝕んで行くと考えられています。

電子機器を捨てて規則正しい生活を

それでは、私たちはどうやって睡眠不足を避けることが出来るでしょうか?

まず第一に、睡眠を優先して一日の内に脳と体を休めるのに十分な時間を確保します。ベッドに入る前にリラックスできる時間を1時間取ると入眠しやすくなります。

就寝前にパソコンやその他のデジタル機器を使用すると、なかなか寝付けなくなる事があります(GaudiLab/Shutterstock)

・寝室は眠るための場所として、電子機器は置かないようにする。

・就寝時刻と起床時刻を決め、特に週末に寝坊することなく規則正しい生活をする。

・目が覚めたら、あるいは太陽が昇ったら、15~30分の間、太陽光線を浴びる。

・たとえ就寝時間が少々遅くなることになっても、眠くなってからベッドに入るようにする。

・ベッドに入っても30分以上目が覚めている日が続くようであれば、ベッドに居る時間を短縮しても良いかもしれません。

・積極的に運動をする。

・アルコールやカフェインの量を減らす。

・睡眠に関する問題が長続きするようであれば、専門家に相談する。

もし上記の方法を試しても上手く眠れない場合は、資格を持つ睡眠専門医の診断を検討してください。 慢性的な不眠症は認知行動療法で改善する場合もあります。 この治療法は、専門セラピスト、ワークショップ、オンラインコース、および書籍を通じてかなりアクセスし易くなっています。

早朝によく目覚めてしまう、日中にとても眠くなる、いびきをかく、呼吸が一時停止する、夜間に何度もトイレに行く、寝汗をかく、歯ぎしりをする、朝に頭痛がするといった症状のある場合、睡眠時無呼吸症候群の可能性があります。この場合、より効果的な治療ができるように医師の検査と診断を受けましょう。

人は自然に眠れるはずで、睡眠についてストレスを感じるべきではありません。ここに紹介した簡単な調整法は、すぐに効果が表れるはずです。

良い睡眠への始めの一歩は、睡眠の重要性を認識する事です。皆さんもすでそれを認識されていることでしょう。いくつかの提案を試してください。そして、正しい睡眠による長期的な健康維持と充実した人生のために、睡眠について更に知識を深めてください。

この記事はウエッブメディア「ザ・カンバセーション」に掲載されました。記事作成者、ブランドン・ピーター・マシューズはスタンフォード大学臨床医学部関係者です。

 
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