ドイツ人留学生、人権弁護士取材で国外退去=中国

中国に留学していたドイツ人の留学生が12日、人権弁護士たちを取材しドキュメンタリーを制作したことが理由で、国外退去処分をうけて中国を出国した。

昨年9月、デイビッド・ミッサル氏(David Missal、24歳)は清華大学新聞伝播学院の修士課程に留学するため中国に渡った。

デイビッド氏は米国営放送ボイス・オブ・アメリカ(VOA)の取材に対し、「もし中国人の同級生が私と同様のことをしたら、中国を追い出されるだけでは済まされない。逮捕されるだろう」と話した。

デイビッド氏が中国に来たのは初めてではない。以前は南京市でドイツ語を教えるボランティアや、北京で交換留学するなど、2年間ほど過ごした。

流暢な中国語を話す彼は、ドイツの大学での専攻は中国関連だった。幼い頃からメディアの仕事に興味を持ち、将来の夢は駐中国記者だという。

「なぜ中国で報道を学ぶのか」という 記者の質問に対し、「一種の経験を積むため」と答えた。中国の報道規制、ジャーナリストにとって厳しい生存環境であることは知っていたが、やはり自分の目で確かめたかったという。

3年間の留学予定だったが、1年未満でピリオドを打たれた。

中国社会の暗部に触れる

人権弁護士たちとその家族の実態に関心を示したため、中国政府の逆鱗に触れたとデイビッド氏は言う。大学院の課題として、中国の人権弁護士、蔺其磊氏(チチライ、48歳)の活動を追跡する短編ドキュメンタリーを制作することに決めた。

「私はこれまでに、中国の各方面に関心を持ったが、社会の暗部に注目しなかったが、これも中国の一部分だ」と彼は課題決めの意図を説明した。

「過去3年間、中国政府は人権弁護士を大規模に取り締まった。数百人の弁護士が資格をはく奪され、ひいては投獄された」とデイビッド氏はドキュメンタリーのなかで紹介した。

カメラの前で、蔺弁護士は人権問題の被害者を支援するに至った経緯などを語り、妻は夫の身の安全に対する不安を隠さなかった。

同弁護士は、3年前の7月9日前後に起きた人権弁護士・活動家に対する全国規模の取締、名付けて「709事件」で拘束された弁護士や活動家の代理人弁護士を務めるなど、全国を奔走している。

デイビッド氏は蔺弁護士の人権活動家、秦永敏氏(シンヨンビン、65歳)の面会に武漢まで同行した。秦氏は「国家政権転覆罪」で今年7月、懲役13年の有罪判決を受けた。

面会中に刑務所の外で待機していたデイビッド氏。突如、2台の警察車両が現れ、7〜8人の警官、私服警官が降りてきた。

そのうちの1人は、武漢市公安局漢陽区分局の副局長と名乗った。警察手帳をちらつかせながら、「撮るな」とカメラを向けるデイビッド氏を制止した。抵抗したものの、パトカーに押し込まれた。公安局でおよそ3時間の取り調べを受けたのち釈放された。

「以前の東ドイツと同じだ」

4月、再び警察の事情聴取を受けることになった。発端は、人権弁護士・王全璋氏(ワンチュエンジャン、42歳)の妻、李文足氏(リウェンヅ)の夫探しの活動を同行取材したことだった。

長年、中国の人権被害者を助け、近年では気功団体・法輪功の愛好者や、キリスト教地下教会の信者など、信仰上の理由で迫害されている人々を支援してきた王氏は、709事件で当局に拘束されてから丸3年間音信不通だった。前述の蔺弁護士も王氏の釈放を当局に求め続けている。

デイビッド氏は、これら人権弁護士たちへの追跡取材が、ビザ更新不許可につながったとみている。

9月6日まで有効の留学ビザだが、延長申請が不許可になり、当局は彼に、今月12日まで国外退去することを通達した。理由は「留学ビザに相応しくない活動をした」。

「相応しくない活動は具体的どういうことなのか」というデイビッド氏の質問に対して、当局関係者は「おまえ自身がよく知っているはずだ」と返したという。

経緯を知ったドイツの両親は「以前の東ドイツに同じだ」と話した。

本人はVOAの取材で「まったく後悔していない。知り合った人権弁護士たちとその家族は皆とても勇敢で、彼らの行いに敬意を表する」と語った。

 
 

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