人畜の炭疽菌感染が発生 政府「牛9頭死亡」=中国内モンゴル 

中国北部の内モンゴルなどで、ヒトや牛の炭疽菌感染が確認されたと中国当局が発表した。

官製メディアによると、内モンゴル通遼市ホルチン地区の動物感染臨時指令センターは12日夜、同地区のある村で5日前に急死した牛の死因が炭疽菌感染だったと発表した。

12日午前までに牛9頭が死亡、8人が皮膚炭疽の症状を現し、全員が入院し容体は安定していると伝えた。

ホルチン地区政府は同日、この村を感染地域に、半径5キロを感染危険地域に指定し、村への道路の入口に臨時の消毒所を設け、出入りする人、車両、物品の消毒作業に当たっている。

中国国内では最近、家畜の感染が相次いでいる。

遼寧省瀋陽市ではアフリカ豚コレラが発生し、およそ1万頭が殺処分されたという政府発表があったばかり。

黒竜江省では羊の炭疽菌感染に関する未確認情報が流れている。255頭が殺処分され、14人が感染したという。

炭疽は炭疽菌によって起こる疾病で、世界規模に存在する人獣共通感染症である。皮膚炭疽、肺炭疽、腸炭疽、髄膜炭疽の4種類である。

厚生労働省のホームページによると、ヒトからヒトへの感染はない。抗生物質による治療が可能で、ワクチンを製造しているのは米企業1社のみ。無治療の場合、もっとも危険とされる肺炭疽の致死率は90%以上となっている。

 
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