シャドーバンキング、倒産ラッシュ 中国で投資家被害が甚大

中国で7月から、高利回りの投資信託商品 (理財商品)を運営する、中国のシャドーバンキング(影の銀行)の一種であるP2P業者の倒産や閉鎖が相次いでいる。債務不履行の規模は甚大とみられており、被害者は主に個人投資家である。

6日、中央政府の介入を求める数千人規模の集団陳情が予定されていたが、各地の公安当局が厳戒態勢で参加者を取り締まり、陳情は実現しなかった。今後の行方に国民の関心が高まっている。

中国のシャドーバンキングは、高利回りの理財商品を投資家に販売して資金を集め、そして銀行から融資を受けられない(中小)企業や個人などに貸し付ける。

10%前後の高い利回りや万全な信用保証の宣伝に惹かれた一般市民が次々に投資し、「全民参加」といわれるほどのヒットぶりで、シャドーバンキングに巨額の資金が流れ込んでいる。

中国政府もシャードバンキングの実態を把握できていないとみられ、IMF(国際通貨基金)の2013年当時の推計では、中国GDPの55%で約462兆円に達し、いまはさらに大幅に拡大している。

今回問題となったP2P業者は、借り手である中小企業や個人と、貸し手である投資家をインターネット上で仲介している。

中国当局が7月初旬に公表した「2018年上半期P2P発展監測報告」によると、6月末時点で、国内のP2P業者は2835社で、ピーク時の5000社からほぼ半減、また今年上半期に721社が倒産となった。

中国証券監督管理委員会所轄下の「証券時報」によると、先月、150以上のP2P業者が投資家側の出金要請に応じない、またはネット取引のアカウント自体を閉鎖し音信不通になるなど、事実上、債務不履行(デフォルト)に陥ったという。

米国営放送、ボイス・オブ・アメリカ(VOA)は事情に詳しい関係者の話として、投資家側の損失は兆元規模 (1元=約16円)に達する試算だと報じた。

こうした状況の中、ソーシャルメディア上の呼びかけにより、6日午前、北京市内の中国銀行業監督管理委員会(銀監会)の前で被害者数千人参加の集団陳情が計画されていた。

一方、全国各地では公安警察が主要鉄道駅などで検問を実施し、北京に向かう参加者を一時拘束したり、当日、銀監会に通じる幹線道路に大型バス120台あまりが待機し、地下鉄の各出口に警官が大量に配置され、参加者と思われる人々を次々とバスに押し込んだ。集団陳情は事実上挫折した。

この映像はインターネットに投稿された取り締まり現場の様子。

VOAは銀監會の陳情受付部門に取材を試みたが、電話がいっこうに繋がらないという。

VOAは取材を受けた被害者たちの証言を報じた。

広東省在住の男性の話では、自分が投資した商品は銀監会の許可を受けたもので、国営中央電視台(CCTV)も取材報道したことから、投資家たちの間で信用が高かった。1400万元(約2億2400万円)を損失した知人もいる。男性は取材の最後に、政府の責任論を口にした。

全貯金80万元(約1300万円)をはたいたという浙江省在住の女性は、「政府が今回の問題を解決しなければ、国民の信頼を完全に失うことになる」と泣きながら訴えた。

もう1人の男性は自身の被害状況を詳しく話した。数年前に「最も信用度が高い」と称された9.5〜10.5%利回りのP2P商品を60万元分(約970万円)購入したが、先月中旬、業者の取引アカウントが突然閉鎖され、広東省深セン市の本社を訪ねたところ、もぬけの殻だった。市政府ビルの前で陳情を行ったところ、警察に「公共秩序を騒乱」との理由で10日間勾留されたという。

シャドーバンキングについて、経済専門家の間では当初から、政府の金融管理・監督の不行き届きなど課題が多いこと、計画的な投資詐欺につながる可能性を指摘する声が絶えなかった。債務不履行が広範で起きると、実体経済に強いダメージをもたらすほか、深刻な社会不安を招くとも予想されている。

米国営放送のラジオ・フリー・アジア(RFA)は中国国内専門家の見解として、「多くのシャドーバンキングは『政府主導』と謳歌し、市民の信頼を募って巨額の資金を集めている。実質上、地方政府(官)と民間企業(民)が結託する大規模な金融不正とも言える」と伝えた。

カナダ在住の中国問題専門家の文昭氏は「シャドーバンキングは実質上、中国政府が容認しているヤミ金融である」という見方を示した。

これまでに起きた、「e租宝」などシャドーバンキング系大型債務不履行事案では、被害者による陳情・抗議はいずれも当事者の泣き寝入りで終わったようだ。

理財商品に投資する一般市民が多いことから、今回の一件は多くの中国人にとって他人事ではない。政府の対応に注目が集まっている。

 
 

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