米政府 2020年までの「宇宙軍」創設計画を発表

[ワシントン 9日 ロイター] – トランプ米政権は9日、空軍や海軍などに次ぐ6番目の軍として「宇宙軍」を2020年までに創設する計画を明らかにした。創設には議会の承認が必要となるが、同構想を巡っては賛否が分かれており、実現できるかは不透明だ。

計画によると、宇宙軍は衛星利用測位システム(GPS)からミサイル発射を検知するセンサーに至るまで、宇宙に関連する軍事能力を管轄することになる。

ペンス副大統領は国防総省での演説で、宇宙軍構想を「実現すべき時が来た」と強調。「果てしなく広がる宇宙で台頭する脅威に立ち向かう」ことになると述べたうえで、議会に宇宙軍創設の予算化を呼び掛けた。

宇宙軍創設にかつてから意欲を示していたトランプ大統領はツイッターで「完全な」実現に支持を表明した。

一方、議会では宇宙軍構想を巡る意見は分かれている。

下院軍事委員会メンバーのマイク・ロジャーズ共和党議員は、宇宙軍は安全保障の強化につながると指摘。一方、民主党のビル・ネルソン上院議員はこれまで、宇宙軍によって空軍が「引き裂かれることになる」と批判している。

元宇宙飛行士のマーク・ケリー退役海軍大尉はこの日、MSNBCとのインタビューで、宇宙に特化した軍を新設することは非効率だと指摘。中国をはじめとする脅威は「引き続き注力すべき分野ではあるが、空軍で対応できる」と語った。

 
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