G20、貿易巡る対話強化の必要性で一致 米関税への対策まとまらず

[ブエノスアイレス 22日 ロイター] – アルゼンチンのブエノスアイレスで開かれていた20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議は22日、共同声明を採択して閉幕した。貿易摩擦や地政学的緊張が世界経済の成長を阻害するのを避けるため、一段の対話が必要との認識で一致した。一方で、米国の関税措置を巡る各国間の対立の解決策ではほとんど合意がなされなかった。

声明は、世界経済の成長は依然底堅いものの、主要国間の経済成長が以前ほど同期しなくなり、短期・中期的な下振れリスクが高まっていると指摘。その具体例として「金融のぜい弱性の高まりや貿易摩擦や地政学的緊張の高まり、世界的な不均衡、不平等、一部先進国で特にみられる構造的な低成長」を挙げた。

貿易は世界経済のエンジンで、多国間貿易協定が重要だとした2017年のG20首脳会議(ハンブルク・サミット)の合意を再確認した。

声明は「リスクを軽減して信頼感を高めるため、対話と行動を強める必要がある」とし、3月の閣僚会合での「一段の対話の必要性を認識している」との声明からさらに踏み込んだ。

モリソン豪財務相はインタビューで、今回の声明の文言は問題の緊急性を示していると指摘。会合では、制裁や報復の応酬に対する懸念が示されたほか、開かれた貿易がG20の目標だとの認識で一致したと説明した。

ムニューシン米財務長官は22日の記者会見で、今回のG20会合では中国の劉昆財政相と貿易に関する実質的な協議はせず、雑談が中心だったと発言。「中国側が交渉の席に着き、(通商政策の)意味のある変更についての協議を望む場合、われわれのチームはいつでも対応できる」と述べた。

中国政府の代表団は、今回の会合でメディアに発言することはなかった。

ムニューシン長官はまた、主要7カ国(G7)が関税や非関税障壁、補助金の撤廃に向けたトランプ米大統領の提案を真剣に受け止めたと説明。トランプ政権は近くワシントンを訪れる欧州委員会のユンケル委員長との協議で、この提案の受け入れを求めていく方針だと語った。

カナダのモルノー財務相は貿易障壁の撤廃は「素晴らしい考えで、向上心のある目標だ」とした上で、経済の歴史的背景の違いから、撤廃の実現は難しいとの見方を示した。

ムニューシン長官は会見で、今回のG20会合では各国の高官と二国間協議を持てたとし、自身が孤立しているとは感じなかったと発言。また、トランプ大統領の貿易に対する姿勢は保護主義的ではなく、大統領は米国にとって自由で公正な貿易を望んでいると述べた。

*内容を追加しました。

 
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