NZ、中国の太平洋島嶼国進出を警戒

ニュージーランド政府は、7月初旬に発表した2018年戦略的国防政策に関するレポートの中で、南太平洋地域において中国が影響力を強め、同地域の安定を脅かし、ニュージーランドの国家安全保障の脅威になる可能性があるという懸念を示した。

2003年にシドニーに設立された民間シンクタンク、ローウィ国際政策研究所の統計によれば、2006年から2016年の間、中国が太平洋島嶼国に供与した経済援助額は約18億ドル (約2016億円) 。近年中国からの支援は急速に増加している。

このため太平洋島嶼国に強い影響力をもつオーストラリアや、ニュージーランドに警戒感が広まっている。

今年5月、ニュージーランド政府は、対外援助予算額を4年間で3割増しの5億ドル以上に引き上げ、大半を太平洋地域に割り当てると発表。

中国の関与拡大により、同地域に利害を有する国の戦略的競争を促しているようだ。

現在、太平洋島嶼国の最大援助国であるオーストラリアの今年の援助予算額は1.3億ドル (145.6億円) 。

専門家は、経済の低迷により莫大な財政赤字を抱える同国の対外援助が減少すれば、そのチャンスに中国は乗じるだろうとの見方を示している。

 
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