【香港】返還21年 民主化デモ参加の活動家に禁固6年

香港では2003年から毎年7月1日の返還記念日に、民主化を訴える大規模なデモが行われている。この勢いを止めるためか、記念日までに香港政府は数名の民主化活動リーダーに有罪判決を言い渡した。

6月11日、香港裁判所は香港独立派の活動家である梁天琦(エドワード・ レオン)氏に対し暴動と警察への暴力を行なったとして禁錮6年を言い渡した。デモ参加者1名も禁錮7年の判決を下されている。

梁氏は2度の選挙に出馬し、多くの支持者を持つが、雨傘革命後、選挙への参加を禁じられている。

弁護士で元立法会議員の呉靄儀(マーガレット・ウー)氏は、梁氏に言い渡された刑期には正当性がなく、完全に迫害事件だと指摘している。

梁氏の前回選挙のライバル候補で立法会議員の楊岳橋エルウィン・ヤン)氏は、梁氏への判決は重いとし、市民、特に若者に対しデモを行うな、さもなければとても厳しい結果に直面するという明確な警告であると話した。

英国統治下の香港で最後の総督を務めたクリス・ パッテン氏は「これからの民主活動家によるデモを阻止する為である」と述べ、判決には法的根拠がないと懸念を示した。

雨傘革命は、香港で2014年9月28日からの79日間、「真の普通選挙」を求める大学生や市民が発起した民主化デモのこと。香港行政長官選に関し、中央政府が自由な立候補を阻む選挙制度を決定したため若者層を中心に最大30万人もの人々が道路を占拠するなど抗議運動を繰り広げた。

雨傘革命のあと、香港の司法機関は主要な参加者十数名を逮捕した。

昨年7月、梁天琦氏は英国議会の討論会に招かれた際、返還から20年経った香港の状況を陳述した。その中で、香港で民主政治を実現するには国際社会の支持が必要だ、と述べている。

 
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