ホンダ、米法人税率下げで通期純利益初の1兆円へ アジア好調

[東京 2日 ロイター] – ホンダ<7267.T>は2日、2018年3月期通期の連結業績予想(国際基準)を上方修正した。アジアでの二輪・四輪の販売好調や円安の影響などが寄与し、営業利益は従来予想から300億円上振れる。米国の法人税率引き下げの影響により、純利益は従来予想から4150億円増え、初めて1兆円の大台に乗る見込みだ。

通期の売上高予想は同8.6%増の15兆2000億円と従来の15兆0500億円から増額。通期の純利益は同62.2%増の1兆円となる見通しで、従来予想の5850億円から大幅に上方修正した。

トランプ米政権下で昨年12月、税制改革法が成立。35%の連邦法人税率が18年から21%に引き下げられることに伴い、北米での金融事業に関わる繰り延べ税金負債を引き下げ後の税率で再計算した結果、利益を押し上げた。会計上、第3・四半期に法人所得税費用での減額分約3461億円を計上したことにより、純利益が増えた。

ただ、米税制改革が来期以降の業績にどう影響するかはまだ不明という。竹内弘平専務は同日の決算会見で、法人税率引き下げに伴う税収減少を補うための穴埋め法案も出ており、別の課税対象が増える可能性にも言及、現時点で「ネットでプラスかマイナスかを判断するのは非常に難しい」と述べた。

通期の営業利益予想は前年比7.8%減の7750億円。トムソン・ロイターが算出したアナリスト23人の予測平均値は7977億円で、会社の修正値は市場予想を下回る。

通期の前提為替レートは1ドル=110円と従来の109円から円安方向に見直した。

ホンダは会計基準を16年3月期より米国基準から国際基準に変更しているため、同基準での比較はできないが、修正後の通期業績予想が達成された場合、数字上では売上高、純利益は過去最高になるという。

<中国の四輪、インドの二輪など好調>

通期の四輪の世界グループ販売計画は、従来の513万台から522万5000台に上方修正した。中国を含むアジアを従来の210万台から218万5000台に増やした。中国では、17年暦年の四輪販売が前年比16%増の145万8000台と過去最高だった。

通期の二輪のグループでのアジア販売計画も従来の1737万5000台から1761万5000台に24万台引き上げた。インドやベトナム、タイなどで伸びた。

同時に発表した17年4―12月期の連結決算では、売上高が前年同期比11.8%増の11兆4464億円、営業利益は同0.6%増の7067億円、純利益は同82.8%増の9516億円だった。

(白木真紀)

 
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