サウジ、著名投資家ワリード王子を釈放 汚職取り締まり鎮静化へ

[リヤド 27日 ロイター] – サウジアラビア当局は27日、汚職容疑などで拘束した富豪で著名投資家のワリード・ビンタラール王子を釈放した。アルワリード氏は昨年11月に他の王子や現職閣僚らとともに拘束されていた。

ワリード王子は釈放に先立ち、軟禁先のホテルでにロイターのインタビューに応じ、容疑が晴れたため数日内に釈放される見通しだと明らかにしていた。

サウジ当局高官は、ワリード氏が検察側との最終合意後に釈放されたと説明。既に自宅に戻ったと明らかにした。

同氏らが釈放されたことで、サウジアラビア実業界や政治勢力に衝撃を与えた今回の汚職取り締まりが収束していく見通しとなった。

ワリード氏は、自身が率いる投資会社キングダム・ホールディング<4280.SE>を国に移管することなく、引き続き自ら管理する見込みだとし、拘束中も同社幹部らと連絡を取り合っていたと語った。

拘束については「誤解」があったと述べ、ムハンマド皇太子による改革への取り組みを支持すると説明。「罪には問われない。私と政府との間でいくらかの話し合いがあっただけだ」と述べた。

一方、当局高官はワリード氏の発言について「否定も肯定もしない。容疑者が書面で罪を認めたり、二度としないと約束しなければ合意には至らない」と述べた。ただ、ワリード氏が引き続きキングダム・ホールディングの責任者にとどまることは認めた。

 
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